遠州常民文化談話会
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『日本の祭』を読み進めるために
会報237号より  名倉 愼一郎

遠州常民の学びも38年目を迎えました。今年度も、昨年から読み始めた『日本の祭』を継続して講読していく予定です。

著作を読んでいく中で、最近、祭りの在り方を考えるいくつかの動きがありました。今年1月には、掛塚屋台囃子保存会の50周年のイベントとしてシンポジウムが開かれ、山口大学准教授の谷部真吾さんの講演と、近隣の人たちによる意見交換が行われ、少子化のなかで祭りを継続していく様々な知恵が紹介されました。

また、3月には横須賀で「お祭り講演会」が開かれ、木下直之県立美術館長と田中興平さんが講演を行い、三熊野神社の大祭の歴史と、国指定文化財への道筋をつける試みが紹介されました。少子化の中で、これからの祭りをどう進めていくべきか、方向性が示されたような気がしています。  

しかし一方では、大相撲で女性が排除される事例が相次ぎ、相撲界の「土俵は女人禁制」の慣習がやり玉に挙がっています。4月7日付の朝日新聞では、歴史学、文化人類学、宗教。学などの観点からこれを解説する記事が掲載されました。穢れや祓などの観念は、祭りの在り方とも深く関わっており、祭りを考えていく上での恰好のテーマだと思います。

また、『日本の祭』については、鎌倉柳田学舎で注釈研究が進められています。メンバーの一人松尾達彦さんが『柳田学舎』143 ・ 144 号で「『日本の祭』既読者のためのガイダンス」を論じていますが、私たちにとっては大変参考になる資料だと思います。  

さらに、昨年秋に出版された工藤隆著『大嘗祭』(中公新書)は、祭りの根源を考えるうえで示唆的でした。それに千嶋寿著『秩父大祭 歴史と信仰と』を重ね合わせ、北遠の祭りを振り返ってみると、何かが見えそうな気がしますが、そんな資料を少し紹介してみます。会報237号

懸案の『佐久間の民俗』は、ほぼ原稿が出そろい、印刷製本に向けて進められそうな状況になりました。この間、事務局の山内さんが、お忙しい中、原稿の編集・整理を一手に引き受けてくださいました。あと一息のところまで来ていますので、最後の詰めをよろしくご協力ください。